●インフォームドコンセントの現状●
■インフォームドコンセントの問題点
インフォームドコンセントは倫理規定どおりにおこなっても、ふくざつな問題をはらんでいる場合があります。
そのため、現在の医学会でもインフォームドコンセントの適切な運用について、さまざまな論議がかわされています。
ここでは、 2 つの深刻な問題について紹介します。
・インフォームドコンセントの問題点 1 ・告知
早期のがん治療ならば、インフォームドコンセントの問題はほとんどありません。
しかし、病気が相当進行してしまった場合には深刻な問題が発生します。
そのような患者へのインフォームドコンセントは、患者に相当がんが進行して、
助かる見込みがないことを伝えるのと一緒です。患者は「知る権利」と「知りたくない権利」の両方をもっています。
このような場合の適切なインフォームドコンセントとはいかなるものか、医療現場でも議論がつづいています。
・インフォームドコンセントの問題点 2 ・救急の場合
患者の状態がなにかしらのきっかけで緊急を要するような場合、
インフォームドコンセントをしているような時間的余裕はありません。
このようなばあいにはどのようにして、インフォームドコンセントの機会を確保するのか、難しい問題です。
・インフォームドコンセントの問題点 3 ・患者の信念
インフォームドコンセントの結果、患者が自分の信念として医療行為を拒んだ場合、
医師は医療行為をおこなえないのでしょうか。患者が力尽きていくのをだまってみているだけなのでしょうか。
このような行動が医者としての倫理に反していないかどうか、意見のわかれるところです。
インフォームドコンセントの現場にて
■インフォームドコンセント:提供する側と提供される側の視点
・インフォームドコンセントと看護師
医者のサポートばかりでなく、現実に患者ともっとも接する時間の多い看護師にとっても、
インフォームドコンセントの意味は大きいものです。
インフォームドコンセントが実際におこなわれていれば、看護師の側も仕事がスムーズにできます。
つまり、患者がインフォームドコンセントに積極的に参加することが、医療の世界全体の利益になりうるのです。
・インフォームドコンセントと家族
患者の状態があまりに思わしくない場合、医師ははじめに患者の親族にインフォームドコンセントをおこないます。
家族にとって身内のそのような話題を聞くだけでもたいへんな負担ですが、さらなる問題にすぐ直面します。
はたしてこの診断結果を患者本人に伝えるべきかどうかという問題です。
患者本人の性格をよく知っている親族だからこそ、この問題は深刻なものになってしまいます。
■インフォームドコンセントの研究
現在では大学病院などのさまざまな研究機関で、インフォームドコンセントの研究がおこなわれています。
すこしでもインフォームドコンセントの課題を克服しようとしているのです。
医科系の大学では、講義にかならずインフォームドコンセントが組みこまれます。
学生の側もインフォームドコンセントに対する小論文をかき、その現状把握につとめています。
それとはべつに、学会でもインフォームドコンセントの研究はたいへんさかんです。
このような講義や小論文・論文の数々は書店はもちろん、ウェブ上でも見ることができます。
どんなかたにとっても、いつ起きるかわからないもんだいです。ぜひ一度どのような議論があるのかごらんになってください。
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